2026年8月号

脂肪細胞の機能制御に着目したシワ改善素材としてのアルニカ花エキスの開発

月号・特集 Cosmetic Science 2026年8月号
論文No 08
著者所属 一丸ファルコス株式会社 フロンティア共創ラボ室長
著者 坂元 孝太郎
タイトル 脂肪細胞の機能制御に着目したシワ改善素材としてのアルニカ花エキスの開発
論文の概要(要約) シワの形成は、加齢や紫外線曝露に伴う真皮の細胞外マトリックス(ECM)の減少や変性が主要因とされ、従来の研究はコラーゲン産生促進やMMPによる分解抑制など真皮ECM代謝の制御を標的としてきた。一方、近年は真皮の下層に位置する皮下脂肪層の形態及び機能の変化もシワ形成に関与すると指摘されている。皮下脂肪層は単なるエネルギー貯蔵組織ではなく、アディポネクチンなどを分泌する内分泌組織でもある。本稿では、約400種類の植物由来原料の探索から見いだされたアルニカ花エキスについて、脂肪細胞機能に対する作用、同定された活性成分、ヒト皮膚への塗布試験及びマイクロニードル併用試験で確認された美容効果を紹介する。
研究目的 真皮ECMを標的とする従来手法とは異なる視点として皮下脂肪層に着目し、脂肪細胞の増殖及び分化を促進する天然由来原料を探索して、その作用と美容効果を明らかにすることを目的とした。
手法 約400種類の植物由来原料を、前駆脂肪細胞の増殖と脂肪細胞への分化を指標にスクリーニング。選抜したアルニカ花エキスのアディポネクチン分泌量、培養上清添加による線維芽細胞のヒアルロン酸産生量、スフェロイドの体積を評価。ヒト試験は健常成人男女12名に1%含有ジェルを4週間塗布、16名に同マイクロニードルを4週間貼付。
主要成果 0.1%で前駆脂肪細胞数は約20%、脂肪滴蓄積は約25%、アディポネクチン分泌は約27%増加し、培養上清は線維芽細胞のヒアルロン酸産生を約35%促進した。擬似脂肪組織の体積は約2.5倍となり、活性成分として6-O-メタクリロイルヘレナリンと6-O-イソブチリルヘレナリンを同定。ヒト試験ではリップ・フェイスのボリューム増加とシワ改善、マイクロニードル貼付では目尻のシワとほうれい線が有意に低減した。

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