2026年9月号

米パラフィン・米デンプンの化粧品原料としての機能探索

月号・特集 Cosmetic Science 2026年9月号
論文No 01
著者所属 山形大学 学術研究院
著者 野々村 美宗
タイトル 米パラフィン・米デンプンの化粧品原料としての機能探索
論文の概要(要約) 化粧品では石油由来から植物由来原料への移行が急速に進むなか、古くから注目されてきた米由来原料に着目した。国内で多量に副生する米ぬかから抽出できる米パラフィンと、廃棄される古米などを原料にできるアルファ化米デンプンについて、環境負荷の低い調製法を概説し、化粧用油剤のゲル化能と、水を抱え込む保湿膜の基剤としての可能性を探索した取り組みを紹介する。
研究目的 未利用資源である米ぬか・古米から得られる米パラフィンと米デンプンが、化粧品原料としてどのような機能を持つかを明らかにし、天然由来原料としての新たな可能性を示すこと。
手法 米パラフィンと流動パラフィン・スクアラン・ホホバ油などを加熱混合・冷却してオイルゲルを調製し、外観・偏光顕微鏡観察・硬度・動摩擦係数を石油由来パラフィンと比較した。せん断加熱製粉で非晶化したアルファ化米デンプンについては、水・グリセリンとの3成分系の混合状態と保持能を評価した。
主要成果 米パラフィンは5重量%以上の添加で幅広い油剤をゲル化し、硬度と摩擦係数は石油由来パラフィンより低く、滑らかなテクスチャーとなった。炭素数25〜31と分子量が小さく油への溶解度が高いためと考えられる。アルファ化米デンプンは自重の数倍の水とグリセリンを保持でき、多量の水を抱えた保湿膜の基剤となる可能性が示された。

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