2026年9月号
メイク化粧品における自然由来原料への置き換えの現状と課題
| 月号・特集 | Cosmetic Science 2026年9月号 |
|---|---|
| 論文No | 02 |
| 著者所属 | 東京工科大学 応用生物学部 |
| 著者 | 柴田 雅史 |
| タイトル | メイク化粧品における自然由来原料への置き換えの現状と課題 |
| 論文の概要(要約) | メイクアップ化粧品では、発色・化粧持ち・使用感・安定性を担う原料の多くが石油由来・合成原料で高性能化されてきたため、自然由来原料への単純な置き換えでは同等の機能を維持しにくい。本稿は置き換えの現状と課題を整理したうえで、植物ワックスによるオイルゲルの高硬度化、果実廃材の繊維を用いたピッカリング乳化、天然色素の有機無機複合化という3つの機能向上アプローチを紹介する。 |
| 研究目的 | メイク化粧品における自然由来原料への置き換えの現状と限界を整理し、合成原料が担ってきた構造形成・着色・紫外線防御・化粧持ちなどの機能を、自然由来原料で代替・補完する方策を示すこと。 |
| 手法 | 伝統的な化粧品原料と現代の代表的原料・代替自然由来原料を対比し、ISO 16128の考え方を含めて利点と課題を整理した。そのうえで、混合ワックス系による結晶ネットワーク制御でのオイルゲル硬度向上、果実加工廃材由来の繊維で安定化した界面活性剤フリーのピッカリング乳化、層状粘土鉱物やメソポーラスシリカとの複合化による天然色素の顔料化を検討した。 |
| 主要成果 | 混合ワックス系では植物ワックスのオイルゲル硬度を大きく高められ、繊維によるピッカリング乳化では表面の親水・疎水バランスが安定化の鍵となることが分かった。天然色素は無機材料との複合化により安定な顔料へ転換できた。自然由来化は由来だけで原料を選ぶのではなく、性能低下や環境リスク、成分間の相互作用を含めた処方設計が必要である。 |