2026年9月号

サステナブル界面活性剤バイオIOSの界面化学的特性と香粧品への応用

月号・特集 Cosmetic Science 2026年9月号
論文No 03
著者所属 花王株式会社
著者 坂井 隆也・千口 圭介・徳原 志穂美
タイトル サステナブル界面活性剤バイオIOSの界面化学的特性と香粧品への応用
論文の概要(要約) 洗浄剤用界面活性剤の疎水基はパーム核油などラウリン系油脂に依存し、供給や環境の面で課題がある。植物油脂の約95%を占めるC16・C18のオレイン系固体油脂を原料とし、アルキル鎖の内部に親水基を持つ分子構造で高い界面活性と水溶性を両立させたサルフェートフリーのアニオン界面活性剤「バイオIOS」について、界面化学的特性と香粧品への応用を概説する。
研究目的 食用油脂と競合しにくいC16・C18植物油脂から製造でき、少ない使用量で高性能を発揮し、硬水や低温水でも機能するサステナブル界面活性剤として、バイオIOSの特性と皮膚洗浄への有用性を示すこと。
手法 臨界ミセル濃度とクラフト点により、アルキル鎖長に伴う界面活性と水溶性のトレードオフを評価し、内部親水基構造の効果を考察した。混合皮脂からの脂肪酸の選択的除去を分光・顕微鏡解析で調べ、バイオIOS配合ボディウォッシュのヒト試験で背部の不飽和脂肪酸比率、経表皮水分蒸散量、かゆみの自覚を評価した。
主要成果 バイオIOSはC16・C18由来でありながら低い臨界ミセル濃度と低いクラフト点を両立し、低温・硬水条件でも高い水溶性を維持した。皮脂中のオレイン酸など刺激性の高い不飽和脂肪酸を、トリグリセリドを残しつつ選択的に除去し、ヒト試験では不飽和脂肪酸比率の低下、バリア機能の改善、かゆみの軽減が確認された。

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