2026年9月号

未利用資源ユズさのうエキスによるデスモグレイン1減少作用

月号・特集 Cosmetic Science 2026年9月号
論文No 04
著者所属 株式会社ポーラ POLAイノベーションセンター
著者 多田 明弘
タイトル 未利用資源ユズさのうエキスによるデスモグレイン1減少作用
論文の概要(要約) ユズの搾汁後に廃棄される「さのう」は年間約3,600トンにのぼる未利用資源である。バリア機能と柔軟性が高い角層の指標となるバスケットウィーブ構造に着目し、角質細胞の中心部に存在するデスモグレイン1を減少させる作用を、ゆず湯を模した浸漬条件でヒト角層および採取した角質細胞を用いて評価した。
研究目的 ユズさのうエキスを化粧品成分として活用するため、角層のバスケットウィーブ構造の形成を促すデスモグレイン1減少作用の有無を明らかにすること。
手法 ユズのさのうを50%エタノール水溶液に浸漬・ろ過してエキスを調製した。50代男性の前腕に0.5%エキス水溶液(対照は精製水)を41℃で10分間浸したのち、テープストリッピングで角層を3回採取し、デスモグレイン1を免疫染色してImageJで定量した。採取した角質細胞をエキスに24時間浸漬するin vitro評価も行った。
主要成果 0.5%ユズさのうエキスで処理した部位では角質細胞中心部のデスモグレイン1が減少し、テープ1回目では対照100.0±11.8%に対し65.3±20.8%(p=0.027)と有意に低下した。2回目の角層でも同様の減少が観察され、ユズさのうエキスはバリア機能と柔軟性の高いバスケットウィーブ角層の形成を促す可能性が示された。

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