ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、日常生活において感情を素直に顔に出して発散すると、ストレスが緩和されポジティブな感情が高まることを確認しました。表情を顔に出すことは他者とのコミュニケーション手段となるだけでなく、コロナ禍の高ストレス状態から自身を解放する手段にもなることが分かりました。
ポーラ化成では、表情に着目した新たなモノ・サービスの創出に向けて研究を継続しています。
コロナ禍のストレス課題を解決するため「表情」に着目
ポーラ化成では、行動制限を伴うコロナ禍での生活によりストレスが高まっていること、さらに、その要因が表情を必要以上につくらなくなったことによる感情の発散不良であることを明らかにしました※1。これは、人との直接の会話などが減ったことで自身の感情を表情として伝える機会が少なくなっているためでないかと考えられます。そこで、感情を表情として顔に出すことで、ストレスが軽減するかどうか確かめました。
※1 「withコロナでの行動制限によりストレスが増大」(2021年8月24日) http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20210824_01.pdf
感情を素直に顔に出すとストレスが緩和
20~40代女性に好みのバラエティやコメディの映像を7日間毎日視聴いただき、その前後でストレスや感情に関する評価をしました(図1、補足資料1)。その結果、感情を素直に顔に出し笑いたい時に笑ったグループは、表情を意識的に抑えたグループと比べてストレスが緩和されており(図2)、さらに「楽しい」「幸せ」といった気持ちを感じやすくなっていました(図3)。このことから、感情を表情に出すことは対人コミュニケーション手段となるだけでなく、ストレスレスで彩りある生活につながると期待できます。
感情を素直に顔に出すことでコロナ禍のストレス課題を解消
本研究から、感情を素直に顔に出すことでストレスが軽減されポジティブ感情が高まることが明らかとなりました。ポーラ化成では、化粧品や肌だけでなく、表情に着目した研究を通していきいきと過ごせるソリューションの創出を目指します。
【補足資料1】 検証試験の方法について
時期 2020年9月
参加者 20代〜40代の女性 約80名
NTTデータ経営研究所「人間情報データベース」モニター※2より2019年に比べて2020年のストレス知覚スコアが上昇し、かつ「コロナ禍でストレスを感じる」と回答した方を抽出した。
※2 NTTデータ経営研究所のご協力のもと、2016年から継続的に同一モニターの内面の状態や文化などの人間特性を累計3,000項目以上モニターしている「人間情報データベース」を活用。
ホームページ https://www.nttdata-strategy.com/dcs/about/index.html
試験デザイン
参加者には7日間、普段通り過ごしながら自宅で好みのバラエティやコメディ映像※3を毎日15分以上視聴いただいた。映像を見て感情を素直に顔に出し、笑いたい時に笑った「表情を顔に出すグループ」と、表情を意識的に抑えていた「表情を抑えるグループ」の2つに参加者を分け、試験の前後にストレスと感情の感受性をアンケートで評価した。
※3 笑い声が出てしまう、笑いが連続的に発生する、自然と笑顔になる/笑みがこぼれるものを選択
評価方法
- ストレス評価
「あなたはストレスをどの程度感じていますか」という設問に対して「1.まったくなかった」~「7.何度もあった」の7段階で評価。 - 「楽しい」「幸せ」の感受性評価
表1の項目に対して、「あなたは以下のシーンを思い浮かべた時、それぞれの感情をどの程度感じますか」という設問に対し、「1.全く感じない」~「7.非常に感じる」の7段階で評価。「楽しい」の感受性として項目1~3の平均点を、「幸せ」の感受性として項目4~6の平均点を用いた。
表1. 感情評価の設問項目
項目1
平日の昼に仲の良い人物複数名と、おしゃべりしながらランチをしている時、「楽しい」と感じる
項目2
休日に十分な余暇時間があり、趣味ごとに一人でひたすら没頭している時、「楽しい」と感じる
項目3
休日に家族や友人、恋人等あなたが一緒に居たい人物と、遊園地や美術館など、あなたの行きたいところへ出掛けて遊んでいる時、「楽しい」と感じる
項目4
休日に家族や友人、恋人等あなたが一緒に居たい人物と、自宅でリラックスしている時、「幸せだ」と感じる
項目5
平日にあなたと一緒に生活している人物や一緒に仕事を進めている人物から、あなたの働きに対し感謝を述べ、休息や報酬をもらった時、「幸せだ」と感じる
項目6
長期連休中に旅行へ出かけ、温泉や美味しい食事、綺麗な景色等を堪能した時、「幸せだ」と感じる