2024年6月号

好中球エラスターゼに着目したシワ改善有効成分開発

月号・特集 Cosmetic Science 2024年6月号
論文No 03
著者所属 ポーラ化成工業株式会社 フロンティア研究所
著者 礒田 隆宏
タイトル 好中球エラスターゼに着目したシワ改善有効成分開発
論文の概要(要約) 紫外線曝露で真皮に浸潤した好中球が放出する好中球エラスターゼが、コラーゲンやエラスチンを直接分解し、MMPsを活性化して真皮細胞外マトリックスを間接的にも分解しシワを形成するメカニズムに着目した有効成分開発の報告である。好中球エラスターゼ阻害活性を指標としたスクリーニングにより、強力な阻害剤としてNEI-L1®(IC50=2.93×10-7mol/L)を見いだした。ヒト皮膚凍結切片での分解抑制試験、および目尻グレード3〜5の健常女性68名を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験により、12週間連用で目視・写真・レプリカ解析すべてで有意なシワ改善を確認し、2016年に日本初の「シワを改善する医薬部外品」として承認された。
研究目的 真皮細胞外マトリックス分解に関与する好中球エラスターゼの阻害を標的とした新規抗シワ有効成分を開発し、その有効性を検証することを目的とする。
手法 好中球エラスターゼ阻害活性を指標に候補化合物を探索し、NEI-L1®を選定。ヒト皮膚凍結切片を用いたコラーゲン・弾性線維分解抑制試験を実施。さらに目尻グレード3〜5の健常女性被験者68名を対象に、12週間のNEI-L1®配合製剤とプラセボ製剤の二重遮蔽無作為化プラセボ対照試験を行った。
主要成果 NEI-L1®はIC50=2.93×10-7mol/Lで好中球エラスターゼを阻害し、皮膚中コラーゲン・エラスチンの分解を抑制した。ヒト試験では12週間後に目視・写真・レプリカ解析のすべてで有意なシワ改善を示し、80%以上の被験者が改善を実感した。

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