2024年8月号

量子コンピュータを用いた処方生成アルゴリズムの開発〜HSPを基にした組合せ最適化による自動処方生成技術のクレンジングオイル処方への応用〜

月号・特集 Cosmetic Science 2024年8月号
論文No 01
著者所属 株式会社コーセー 研究所
著者 帯金 駿/吉川 健太郎/笹木 亮/中村 理恵
タイトル 量子コンピュータを用いた処方生成アルゴリズムの開発 〜HSPを基にした組合せ最適化による自動処方生成技術のクレンジングオイル処方への応用〜
論文の概要(要約) 化粧品処方設計は、膨大な候補原料と配合比の組合せから目標品質を満たす組合せを選定する作業であり、計算機による自動化が期待されている。本研究では、溶解性指標HSP(Hansen Solubility Parameters)を目標品質としてQUBO形式に定式化し、量子アニーリング方式のD-Wave2000Qと古典コンピュータによるハイブリッドアルゴリズムを新規開発してクレンジングオイル処方に適用した。ヒト角栓のHSPを標的に30原料から処方を計算生成した結果、全体約10秒(うち量子計算約1.6秒)で解を導出し、人工角栓除去率は対照処方57%に対し計算処方91%を達成した。自動処方生成技術が化粧品開発に新しい知見をもたらすことを示した。
研究目的 HSPを評価指標とし、量子コンピュータを活用した自動処方生成アルゴリズムをクレンジングオイル処方設計に適用し、その実用性を明らかにすること。
手法 ヒト角栓由来HSPを標的にQUBO定式化し、量子アニーラD-Wave2000Qと古典計算機のハイブリッドで200回計算。人工角栓を用いた撹拌試験で、汎用ミネラルオイル系対照処方と計算処方の角栓除去率を比較評価した。
主要成果 処方生成計算時間は合計約10秒(うち量子部約1.6秒)、人工角栓除去率は対照処方57%に対し計算処方91%と有意に高く、実使用時の毛穴の角栓除去も確認された。

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