2024年12月号

アルギン酸オリゴ糖ナトリウム複合体によるヘアケアへの応用

月号・特集 Cosmetic Science 2024年12月号
論文No 06
著者所属 山栄化学株式会社 美容薬品研究部
著者 古澤 利光/吉村 聡子/天笠 萌実
タイトル アルギン酸オリゴ糖ナトリウム複合体によるヘアケアへの応用
論文の概要(要約) アルギン酸は海藻由来の酸性多糖でカチオン交換能が高くゲル化しやすいが、ヘアケアでは増粘剤以外の応用が限られていた。本研究では酵素により分子量3,000以下に低分子化したアルギン酸オリゴ糖ナトリウム(エマコールSW-1010)に着目し、カチオン性成分との複合体形成によるヘアケア応用を検討した。SW-1010とセトリモニウムクロリドを各1%混合すると複合体が生成し、5-TAMRAラベルによりすすぎ後もダメージ毛表面に吸着残存することを確認、疎水性成分を包括する能力も見いだした。パウダーブリーチ毛へのインバス・アウトバス製剤での処理により、強度・疎水性・コシ感・接触角の向上が確認され、毛髪補修・疎水化素材としての有用性が示された。
研究目的 アルギン酸オリゴ糖ナトリウムとカチオン性成分による複合体を用いた、ダメージ毛の強度・疎水性回復に資するヘアケア応用技術を開発する。
手法 SW-1010とCTACによる複合体の外観観察、デジタルマイクロスコープによる毛髪表面挙動、5-TAMRAラベルによる蛍光残存性、シリコーン等油剤の包括性評価、パウダーブリーチ1回処理毛へのインバス製剤0.4%配合10回処理(強度・疎水性)、ブリーチ2回処理毛へのアウトバス製剤0.1〜0.3%配合処理(官能評価・接触角測定)。
主要成果 SW-1010とCTACで水不溶性の複合体が生成し、毛髪表面を移動しながら吸着、すすぎ後も残存。インバス配合でダメージ毛の強度と疎水性が向上、アウトバス配合0.3%でコシ感と接触角向上を確認。糖骨格水酸基がダメージ毛表面に吸着しアルキル基を表層側に配列する作用機序が推察された。

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