2024年12月号

美しい毛髪を保つためのヘアケア原料の新しいアプローチ

月号・特集 Cosmetic Science 2024年12月号
論文No 09
著者所属 日油株式会社 千鳥研究所
著者 永山 恵美/関口 孝治
タイトル 美しい毛髪を保つためのヘアケア原料の新しいアプローチ
論文の概要(要約) シャンプーのコアセルベートによる滑り性付与は界面活性剤濃度に依存し、過不足によるきしみ・ごわつきが課題であった。著者らはカチオン性ポリマーに自己会合機能を付与した高潤滑性ナノゲルポリマーAlfeel®-SDを開発し、既存ポリクオタニウムより低配合で滑り性改善を示した。機構は毛髪表面に平滑なポリマー皮膜を形成し圧力で内層から水を放出する潤滑作用である。さらに親水性POEと親油性POPを併せ持つ両親媒性保湿剤アクロビュート®60MB-63を開発し、ボディソープ配合でグリセリンを上回る持続保湿、シャンプー配合で2-ノネナール臭抑制、簡易洗浄剤でブリリアントブルー残存性向上など、すすぎ後機能性への寄与を示した。
研究目的 毛髪に滑り性を付与する高潤滑性ナノゲルポリマーAlfeel-SDと、すすぎ後の保湿・消臭・水溶性成分残存性を高める両親媒性保湿剤アクロビュート60MB-63の機能を検証する。
手法 ポリエステル人工毛髪上でのKES-SE摩擦感テスターによる動摩擦係数測定(Alfeel®-SD、PQ-7、PQ-10各3%水溶液)。アクロビュート60MB-63 2%配合ボディソープの前腕洗浄後SKICON-200EXによる皮表水分量測定、シャンプー処方(表1)に2%配合しノネナール塗布人工皮革への官能評価、簡易洗浄剤10%配合時の色差計によるブリリアントブルー残存測定。
主要成果 Alfeel®-SDはPQ-7・PQ-10より低ポリマー純分でも高い滑り性改善効果を示し、ナノゲル皮膜による水放出潤滑機構が示唆された。アクロビュート60MB-63はグリセリンを上回る持続保湿、2-ノネナール臭抑制、親水性色素ブリリアントブルーの皮膚残存性向上を確認した。

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