2024年12月号

毛髪の加齢変化を改善する、持続型ヘアケア技術

月号・特集 Cosmetic Science 2024年12月号
論文No 11
著者所属 神戸大学大学院 科学技術イノベーション研究科
著者 辻野 義雄
タイトル 毛髪の加齢変化を改善する、持続型ヘアケア技術
論文の概要(要約) 毛髪は加齢とともに白髪・薄毛に加え、ハリ・コシ低下、うねり発生、艶減少を呈する。本稿ではタンパク質に合成分子を温和な条件で化学結合させるバイオコンジュゲーション技術の持続型ヘアケア応用を整理した。毛髪タンパク質の内在官能基として第一級アミン・チオール・カルボキシ・カルボニルの4標的があり、グリオキシル酸等のカルボニル化合物はイミノ結合する酸熱トリートメントとして機能する。γ-ドコサラクトン等はラクトン環開裂でアミド結合、共役オレフィンはマイケル付加、ブンテ塩等はSH/SS交換反応で修飾する。著者らのアミノエチルチオコハク酸は縮毛矯正・カールリテンション向上などの持続型改善効果を示した。
研究目的 バイオコンジュゲーション技術の特徴と毛髪タンパク質との反応、加齢変化に資する持続型ヘアケア成分(特にATS)の作用機序を整理する。
手法 バイオコンジュゲーション技術の4標的官能基別反応分類。エチオピア人毛へのATS0.5%処理(150℃アイロン+40℃RH90%60分)、ブリーチ毛へのカールリテンション試験(15mmロッド、80℃乾燥、40℃RH88%60分)、小角X線散乱(SPring-8)によるIF間距離測定、DSCによる束縛水・総水分量測定、TL201Ttによる破断応力、ATRによるシステイン酸ピーク測定。
主要成果 ATS処理でエチオピア人毛の扁平部分が直毛化し縮毛を矯正。ATSはジカルボン酸や活性ケラチン等より優れたカール保持性を示し、IF間距離が広がりマトリックス膨潤、束縛水・総水分量増加、ブリーチ毛の破断応力向上、ケラチン融解温度低下緩和、システイン酸生成抑制を確認。

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