2025年4月号

メラニン過剰蓄積が引き起こすシミ特有の細胞老化機構とその薬剤ソリューション

月号・特集 Cosmetic Science 2025年4月号
論文No 02
著者所属 資生堂 みらい開発研究所
著者 井上 大悟・ヌラニ アリフミーム・柴田 貴子
タイトル メラニン過剰蓄積が引き起こすシミ特有の細胞老化機構とその薬剤ソリューション
論文の概要(要約) 老人性色素斑(solar lentigo)に対して、生きた皮膚を非侵襲的に観察する蛍光寿命イメージング顕微鏡(FLIM)を用い、シミ部位表皮で酸化的リン酸化(OXPHOS)活性が低下していることを初めて示した研究である。合成メラニンを貪食させた基底ケラチノサイトモデルでは、メラニン過剰蓄積によりOXPHOSが低下し、p21/p16依存的な細胞老化表現型とGROα・HMGB1等のSASP因子分泌が増加した。この二つのプロセスを同時に改善する薬剤として、グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)と美白有効成分4-メトキシサリチル酸カリウム(4MSK)・トラネキサム酸(TA)の組み合わせを見いだし、ヒト臨床連用試験でシミ部位のOXPHOS活性を有意に回復させた。
研究目的 シミ特有の細胞内微小環境を非侵襲的に解析し、メラニン過剰蓄積に起因する細胞老化機構とその改善薬剤を明らかにすることを目的とした。
手法 FLIMによるシミ部位の代謝解析、合成メラニン貪食モデルによる細胞老化評価、4MSK/TA/GK2含有美容液を用いた二重盲検臨床連用試験を実施した。
主要成果 メラニン過剰蓄積がOXPHOS低下と細胞老化を誘導し、4MSK/TA/GK2はこの双方を改善してシミの悪化プロセスにアプローチできることが示された。

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