2025年12月号

「ピッカリングエマルション/ドライウォーターを用いた化粧料の現在と未来」

月号・特集 Cosmetic Science 2025年12月号
論文No 02
著者所属 山形大学 学術研究院
著者 野々村 美宗
タイトル ピッカリングエマルション ドライウォーターを用いた化粧料の現在と未来
論文の概要(要約) 界面活性剤や両親媒性高分子の代わりに、水と油の両方に濡れ性を示す固体粒子を油水界面に吸着させて安定化したエマルションをピッカリングエマルションと呼ぶ。20世紀初頭に見いだされたこの現象は、2000年前後から本格的な学術研究が進み、O/W型・W/O型のほか多相エマルション、バイコンティニュアス構造、ピッカリングフォーム、リキッドマーブル/ドライウォーターといった多彩な組織を形成することが明らかにされた。本稿では、ピッカリングエマルションとドライウォーターを利用したメイクアップ化粧料・サンスクリーン・スキンケア化粧料の研究開発の歴史と技術的特徴を整理し、界面活性剤フリー処方、感触・使用性、機能性付与の観点から、これらの系が持つ価値と今後の応用可能性について展望する。
研究目的 ピッカリングエマルション及びドライウォーターを用いた化粧料の技術的特徴と研究開発動向を整理し、その価値と将来の応用可能性を展望する。
手法 国内外の学術論文・特許情報を調査し、固体粒子による界面安定化機構、形成される組織構造、化粧料への応用事例を体系的にレビューした。
主要成果 ピッカリングエマルションは界面活性剤フリー処方を可能にし、W/O型・O/W型のみならず多相、バイコンティニュアス、ドライウォーターなど多様な構造を形成する。シリコーン処理顔料や植物由来粉体を用いた実用例もあり、感触・安定性・機能性の両立により、次世代メイクアップ・スキンケア化粧料の基盤技術となる可能性が示された。

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