2025年12月号

「粒子分散液の塗布乾燥過程における塗布膜中の粒子挙動の理解」

月号・特集 Cosmetic Science 2025年12月号
論文No 03
著者所属 株式会社資生堂 みらい開発研究所
著者 長谷川 克行
タイトル 粒子分散液の塗布乾燥過程における塗布膜中の粒子挙動の理解
論文の概要(要約) メーキャップ化粧品の視覚的効果は主に粉末成分が担うため、塗布後の粒子分布状態の予測は重要である。しかしリキッドファンデーションは揮発性溶媒を含み、塗布・乾燥過程で濡れ状態や粒子間相互作用が逐次変化するため、バルクの分散状態が最終塗布膜で維持されず、処方から塗布膜状態を予測することは困難であった。本研究では、平均粒径約5μmのポリジメチルシロキサン(PDMS)粉末とポリメチルメタクリレート(PMMA)粉末を、低分子量ジメチルシリコーン油及び揮発性油中に分散させた系で、塗布乾燥過程の粒子挙動を実験的に観察するとともに、ブラウン動モデルに基づく数値シミュレーション(SNAP-L)を用いて解析し、粒子構造形成メカニズムを解明した。
研究目的 リキッドファンデーションの塗布乾燥過程における粉末粒子の挙動と膜中粒子構造形成メカニズムを解明し、望ましい塗布膜設計のための要素を明らかにする。
手法 PDMS及びPMMA粉末を揮発性油2種に分散した試料を基板上に塗布し、乾燥過程における粒子挙動を実験的に観察するとともに、ブラウン運動モデルに基づく数値シミュレーション(SNAP-L)で解析した。
主要成果 乾燥速度と表面張力の異なる条件下で粒子運動を可視化し、バルク分散状態と塗布膜内粒子状態との乖離の要因を解析。揮発条件・粒子の濡れ性が最終的な粒子充填構造に大きく影響することが示され、塗布膜中の粒子状態を制御するための設計指針が得られた。

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