2025年12月号
「化粧品応用における先進的な複合金属石けん粉体―タルク代替物の実現に向けて―」
| 月号・特集 | Cosmetic Science 2025年12月号 |
|---|---|
| 論文No | 06 |
| 著者所属 | 岩瀬コスファ株式会社 / 日油株式会社 尼崎研究所 |
| 著者 | 片山 のはら / 斎藤 つゆ希・吉村 健司 |
| タイトル | 化粧品応用における先進的な複合金属石けん粉体 ―タルク代替物の実現に向けて― |
| 論文の概要(要約) | 化粧品の粉体原料、特にベースメイク製剤の70%以上を占めるタルクは、アスベスト混入リスクやIARCによる発がん性評価改訂を背景に使用削減が進み、自然由来指数1を満たす代替素材が求められている。合成マイカ、セリサイト、硫酸バリウム、従来型金属石けんなどでは性能を満たせない。本研究では、複分解法(湿式法)による金属石けん合成に無機結晶核剤として板状ガラス粉末を導入する新規合成法を確立し、粒子形状と粒径を制御した複合金属石けん粉体(ミリスチン酸カルシウム系)を開発した。ガラスの最適配合量はミリスチン酸カルシウムに対して20%とし、板状ガラスを核剤とする均一結晶成長により、タルク様の板状構造・成形性・滑らかな感触・自然由来指数1を兼ね備える新素材を実現した。 |
| 研究目的 | アスベスト混入リスク等からタルクの使用削減が進む中、自然由来指数1を満たし、タルク同等の成形性・感触・機能性を持つ代替粉体原料を開発する。 |
| 手法 | 複分解法を基本とし、ミリスチン酸ナトリウム溶液中に板状ガラス粉末を無機結晶核剤として分散させた状態で金属塩と反応させ、ミリスチン酸カルシウムを主体とする複合金属石けん粉体を合成。ガラス配合量を変えて形状・粒径・性能を評価した。 |
| 主要成果 | 板状ガラスを核剤とし20%配合で複合化することで、板状構造と均一な粒子成長を実現し、従来型金属石けんの過剰硬化・ケーキングの課題を克服。タルクに近い成形性・滑らかな感触・顔料分散性・高撥水性を持つ自然由来指数1の粉体を得た。 |