2026年2月号

におい強度評定法の発展:6 段階臭気強度表示法からラベル付き VASへの展開

月号・特集 Cosmetic Science 2026年2月号
論文No 02
著者所属 文京学院大学 人間学部
著者 小林 剛史
タイトル におい強度評定法の発展:6段階臭気強度表示法からラベル付きVASへの展開
論文の概要(要約) 日本で長く用いられてきた6段階臭気強度表示法は順序尺度であり、心理的等間隔性が保証されない課題があった。本稿は、6段階表示法の語句・数値ラベルを直線上に配置したラベル付きVisual Analogue Scale(VAS)の測定特性を検証した2つの実証研究をレビューする。T&TオルファクトメーターB臭による比較実験では、ラベルの有無が強度評定値を体系的に偏らせないことが示され、また提示濃度レンジの異なる2群における共通濃度の評定値が一致し、嗅覚強度判断が相対判断ではなく内部の絶対スケールに基づくことが示唆された。ラベル付きVASが間隔尺度として機能し、香料濃度設計・残香性評価等に広く応用可能であることを示した研究である。
研究目的 6段階臭気強度表示法をVAS形式に改変したラベル付きVASの測定特性(ラベル吸着の有無・絶対スケール性)を検証し、化粧品・香料官能評価への応用可能性を論じる。
手法 研究1ではラベル付きVASとラベルなしVASを比較し、研究2では提示濃度レンジの異なる2群間で共通濃度の評定値を比較した。分析には分散分析及びベイジアン分散分析を適用した。
主要成果 研究1では群の主効果・交互作用ともに有意でなく、ラベルの有無による体系的偏りは確認されなかった。研究2では共通濃度の評定値が2群間で一致し、におい強度評定が内部の絶対スケールに基づくことが示された。

※ 閲覧にはCosmetic Scienceデジタル版の
会員登録が必要です