2026年2月号

香りの力で悪臭を制す―消臭技術の最前線

月号・特集 Cosmetic Science 2026年2月号
論文No 08
著者所属 高砂香料工業株式会社 研究開発本部
著者 三原 尚
タイトル 香りの力で悪臭を制す―消臭技術の最前線
論文の概要(要約) 本稿は、嗅覚受容体制御型消臭技術(Aromamask®)と調和型消臭技術(Transodor®)を組み合わせた新しい悪臭低減香料の開発について述べる。Aromamask®は悪臭に応答するヒト嗅覚受容体のアンタゴニスト香料素材を細胞アッセイでスクリーニングし、悪臭のOR結合を選択的にブロックする技術である。約400種のスクリーニングで加齢臭・腋臭キー成分に共通応答するOR2C1を同定しMusk T®等を選出、介護臭キー成分に応答するOR2L3も新規同定しクラリセージエキス等を見いだした。Transodor®ではユーカリ油等が糞便臭と調和することを確認し、両技術を組み合わせた調合香料が悪臭の不快感を総合的に低減することを官能評価で実証した。
研究目的 嗅覚受容体制御型消臭技術と調和型消臭技術を組み合わせ、加齢臭・腋臭・介護臭などの複合悪臭に対する効果的な悪臭低減香料を開発する。
手法 約400種のヒト嗅覚受容体を発現させた培養細胞アッセイにより悪臭キー成分応答ORを探索し、アンタゴニスト香料素材をスクリーニングした。モデル悪臭を用いた官能評価(悪臭強度・不快感5段階尺度)で調合香料の消臭効果を検証した。
主要成果 OR2C1が加齢臭・腋臭キー成分に共通応答し、OR2L3が糞便臭キー成分に応答することを新規同定した。アンタゴニスト香料素材を含む調合香料は、モデル加齢臭・腋臭・介護臭の悪臭強度と不快感を有意に低減した。

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