2026年4月号
敏感肌に寄り添う化粧品開発:処方設計から使用実態理解・啓発までの包括的取り組み
| 月号・特集 | Cosmetic Science 2026年4月号 |
|---|---|
| 論文No | 03 |
| 著者所属 | ポーラ化成工業株式会社 製品設計開発部 エビデンスセンター |
| 著者 | 坂口 眞由美 |
| タイトル | 敏感肌に寄り添う化粧品開発:処方設計から使用実態理解・啓発までの包括的取り組み |
| 論文の概要(要約) | 自認敏感肌者が約7割に及ぶ現状を踏まえ、化粧品会社の立場から敏感肌対応化粧品の設計と啓発を包括的に論じた総説である。化粧品による皮膚トラブルを他覚症状(紅斑・浮腫等)と自覚症状(ヒリヒリ感等)に分けて整理し、TRPチャネル(TRPA1・TRPM8・TRPV1)やスティンギングテストを介した刺激受容機構の個人差を解説する。敏感肌の背景には角層バリア機能の低下があり、外的・内的要因やプロゲステロンによるTEWL回復遅延などを概観した。さらに自社開発例としてベントナイト由来のBUクリームによるアトピー性皮膚炎患者の角層細胞面積増大、新規セラミド分散物による化粧水でのバリア改善、洗顔料の泡立て実態と刺激発生の関係を紹介し、処方設計と使用方法啓発の両輪による敏感肌対応の重要性を結論づけている。 |
| 研究目的 | 敏感肌者に生じる化粧品トラブルの発症機序を整理し、処方設計・使用方法・啓発を一体とした敏感肌対応化粧品開発の方向性を示すこと。 |
| 手法 | 自社及び関連研究の文献レビュー、アトピー性皮膚炎患者47名を対象としたBUクリーム使用試験、新規セラミド分散物のヒト使用前後のTEWL・皮膚内水分量・Dsg1染色評価、女性従業員を対象とした洗顔料泡立て実態調査と実使用テストを組み合わせた総説的報告。 |
| 主要成果 | BUクリームはアトピー性皮膚炎患者の総合改善度80.4%を示し角層細胞面積を増大させた。新規セラミド分散物はグリセリン水溶液よりTEWL抑制効果が高く、浅層水分量を増加させDsg1の残存を抑制した。洗顔料調査では9割が泡立て必要性を認識しながら約7割が泡立て不足で、泡立て不足グループにのみ赤みやかゆみ等の刺激症状が多発し、低刺激処方でも使用方法次第で肌負担が増すことが示された。 |