2026年4月号
表皮内神経とタイトジャンクションバリアに着目した敏感肌の新たな改善アプローチ
| 月号・特集 | Cosmetic Science 2026年4月号 |
|---|---|
| 論文No | 04 |
| 著者所属 | 花王株式会社 スキンビューティ第1研究所 |
| 著者 | 加藤 亜里沙/住田 泰輝 |
| タイトル | 表皮内神経とタイトジャンクションバリアに着目した敏感肌の新たな改善アプローチ |
| 論文の概要(要約) | 敏感肌における皮膚過敏症状の解剖学的基盤を解明し、改善成分としてのγ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸(GABOB)の有用性を検証した研究である。20〜50歳代の健常日本人女性114名から乳酸刺激試験で敏感肌群・非敏感肌群各3名を選抜して皮膚生検を実施したところ、敏感肌群では表皮タイトジャンクション領域を貫通し角層直下まで伸長するPGP9.5陽性神経線維終末が有意に増加し、クローディン3遺伝子発現が低下していた。培養ヒト表皮ケラチノサイトでクローディン3をsiRNAで抑制するとTEER値が有意に低下した。GABOBはクローディン3発現とTEER値を濃度依存的に増強し、0.5%配合製剤の8週間連用試験でCPT値と自覚症状を有意に改善した。 |
| 研究目的 | 敏感肌者における表皮神経終末とタイトジャンクションバリアの解剖学的・機能的変化を明らかにし、タイトジャンクション形成を促進する化粧品成分による敏感肌改善アプローチを確立すること。 |
| 手法 | 日本人女性114名の乳酸刺激試験結果をもとに敏感肌群・非敏感肌群各3名から上腕内側の皮膚をパンチ生検し、PGP9.5・クローディン3/4の免疫組織化学染色とトランスクリプトーム解析を実施。培養NHEKでクローディン3 siRNAによるTEER評価及びGABOBによるクローディン3発現・TEER評価を行い、敏感肌意識を有する女性55名を対象にプラセボ対照二重盲検で0.5%GABOB配合製剤の4・8週連用試験(CPT測定・自覚症状評価)を実施した。 |
| 主要成果 | 敏感肌群は非敏感肌群よりTEWLが高く、角層直下に到達する神経線維数が有意に多かった。クローディン3はタイトジャンクションのバリア機能に直接寄与し、その発現低下が敏感肌の神経局在異常と関連することが示された。GABOBはクローディン3発現とTEERを濃度依存的に高め、低CPT被験者群で連用4・8週後にCPT値を有意に改善し、刺痛・チクチク感・灼熱感などの自覚症状にも有意な改善実感をもたらした。 |