2026年4月号

ヒト表皮角化細胞におけるスプリングミント®の芳香族ジアミン誘導TSLP mRNA発現に及ぼす効果

月号・特集 Cosmetic Science 2026年4月号
論文No 05
著者所属 一丸ファルコス株式会社/岐阜市公立大学法人 岐阜薬科大学 香粧品健康学研究室 
著者 藤田 幸子/伊藤 賢一/アルナシリイダマルゴダ/井上 紳太郎
タイトル ヒト表皮角化細胞におけるスプリングミント®の芳香族ジアミン誘導TSLP mRNA発現に及ぼす効果
論文の概要(要約) 酸化染毛剤の中間体である芳香族ジアミン(PPD、2,5-DAT)が誘発する頭皮不快感の上流応答を捉える目的で、ヒト表皮角化細胞(NHEK)のTSLP mRNA発現を指標としたスプリングミント®の抑制効果を評価した研究である。スプリングミントは芳香成分を除去したオーガニックペパーミント葉抽出物で、ロスマリン酸とLuteolin-7-O-グルクロニドを主要成分とする。NHEKにPPDまたは2,5-DATを添加するとTSLP mRNAが有意に増加したが、スプリングミント前処理で濃度依存的に抑制された。比較成分のグリチルリチン酸ジカリウムでは明確な抑制は認められず、染毛剤による角化細胞初期応答を緩和する素材として敏感頭皮領域での応用が期待される。
研究目的 酸化染毛剤使用時に生じる頭皮不快感の上流応答を緩和する素材候補として、スプリングミント®(芳香成分を除去したペパーミント葉抽出物)のTSLP誘導抑制効果を評価すること。
手法 NHEKにPPD・2,5-DAT・PAP・resorcinolを添加してTSLP mRNA誘導条件を選定後、スプリングミントまたはグリチルリチン酸ジカリウムを前処理し、染料中間体成分添加によるTSLP mRNA発現をリアルタイムPCRで測定した。ATP5F1で正規化したTSLP/ATP5F1比を指標とし、Dunnett検定で有意差を判定した。
主要成果 PPD(10μg/mL)、2,5-DAT(30μg/mL)ともにTSLP mRNAを増加させた。スプリングミント前処理によりPPD誘導性TSLPは0.10%・0.30%で、2,5-DAT誘導性TSLPは0.30%・1.0%で有意に抑制され、用量依存性が示された。0.3%グリチルリチン酸ジカリウムでは有意な抑制は得られず、スプリングミントが染毛剤刺激に対する角化細胞の初期応答緩和素材として有用であることが示唆された。

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