2026年7月号
水溶性UV-B吸収剤添加によるリボフラビン光増感活性酸素の生成抑制効果と抑制機構
| 月号・特集 | Cosmetic Science 2026年7月号 |
|---|---|
| 論文No | 05 |
| 著者所属 | 株式会社資生堂 みらい開発研究所 / 横浜国立大学大学院工学研究院 化学系 |
| 著者 | 宮沢 和之/八木 幹雄/菊地 あづさ |
| タイトル | 水溶性UV-B吸収剤添加によるリボフラビン光増感活性酸素の生成抑制効果と抑制機構 |
| 論文の概要(要約) | 皮膚や眼に分布する水溶性ビタミンB2であるリボフラビン(RF)は抗老化に関わる必須栄養素である一方、光照射下では酸素と反応して活性酸素種を生成する光増感物質としての側面も併せ持つ。日常的な紫外線曝露下での挙動を正しく理解することは、安全な化粧品設計に不可欠である。本稿では、水溶性UV-B吸収剤PBSAと水溶性RFがUV-A照射下でどのように相互作用するかを分光学的および電気化学的手法で解析し、PBSAがRFの光増感による一重項酸素生成を効果的に抑制すること、その作用機構がRFの励起三重項状態への光誘起電子移動であることを示した検討成果を紹介する。 |
| 研究目的 | リボフラビン(RF)の光化学的特性を詳細に理解し、共存することで活性酸素発生を抑制する化粧品原料の作用機構を明らかにすることを目的とした。 |
| 手法 | pH7.4リン酸緩衝液中、25℃・空気飽和条件で、波長1274nmの一重項酸素発光を時間分解測定し、RFの励起三重項状態の寿命をPBSA濃度の関数として測定するとともに、サイクリックボルタンメトリーから電子移動の自由エネルギー変化を見積もった。 |
| 主要成果 | PBSA共存下でRFの一重項酸素生成の量子収率は単独時の0.60から0.35へ低下し、RFの励起三重項寿命は3.0μsから1.4μsに短縮した。PBSAからRFへの光誘起電子移動の自由エネルギー変化は-60kJ mol-1と強く発熱的であり、PBSA自身は分解や化学反応を起こさずに一重項酸素生成を抑制することが示された。作用機構はRFの励起三重項状態への光誘起電子移動であると結論された。 |