2026年7月号

環境ストレスから皮膚を保護する化粧品製剤技術

月号・特集 Cosmetic Science 2026年7月号
論文No 06
著者所属 ポーラ化成工業株式会社
著者 木村 勇輝/中谷 明弘
タイトル 環境ストレスから皮膚を保護する化粧品製剤技術
論文の概要(要約) 皮膚は紫外線、大気汚染、摩擦、温湿度変化など多様な環境ストレスに同時にさらされており、化粧品には生じた肌トラブルを整えるだけでなく、ストレスそのものから皮膚を守る予防的・包括的な防御が求められている。本稿では、環境ストレスが皮膚に与える悪影響を整理したうえで、抗酸化・抗炎症・美白・保湿などの成分により生体応答を制御する生物学的アプローチと、乳化系・粉体・高分子・油剤の設計によって皮膚表面での曝露そのものを低減する界面工学的アプローチという二つの視点から、化粧品処方技術の進化を概観する。特に界面工学的アプローチを軸とした自社の処方設計事例を取り上げ、複合ストレス下でも紫外線防御膜を維持する技術動向を紹介する。
研究目的 環境ストレスが皮膚に与える悪影響を整理し、生物学的アプローチと界面工学的アプローチの相補的組み合わせに着目して、それに対抗する化粧品処方技術の進化を概観することを目的とした。
手法 紫外線、大気汚染物質、摩擦、温湿度変化を中心とする環境ストレスに対し、生物学的アプローチと界面工学的アプローチの二つの防御戦略を整理し、界面工学的アプローチを軸とした自社処方設計事例をケーススタディとして解析した。
主要成果 シリカ微粒子のピッカリングエマルションでは、海水浸漬後の紫外線吸収剤流出量が10分の1以下に低減し、海水のイオン環境による粒子凝集を利用して膜構造が強化された。竹由来セルロースナノファイバー製剤では、80分間の水浸漬後もSPF56・UVAPF18を保持し、みずみずしい感触と石けんによる易洗浄性を両立して快適性とのトレードオフを解消した。

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