2026年7月号

環境ストレスに対応する水相配合型UV防御技術

月号・特集 Cosmetic Science 2026年7月号
論文No 07
著者所属 BASFジャパン株式会社 ケア・ケミカルズ事業部 パーソナルケア マーケットディベロップメント
著者 正木 功一
タイトル 環境ストレスに対応する水相配合型UV防御技術
論文の概要(要約) 都市化や気候変動の進行により、肌が直面する外的環境ストレスは多様化・複合化しており、UVフィルター技術にはブロードスペクトル防御、塗布膜の均一性、耐水性、軽い使用感、処方自由度の同時達成が求められる。しかし高性能UV吸収剤の多くは油溶性で、防御性能を高めるほど油相負荷が増え、べたつきや結晶析出リスクが生じやすい。本稿では、油溶性UV吸収剤BEMT(Tinosorb® S)を特許化カプセル化技術で水相に安定分散させたTinosorb® S Lite Aquaを紹介し、水相配合型UV防御が性能ブースト、耐水性向上、汚染粒子付着低減、皮脂酸化抑制の多面的価値をもたらすことを示す。
研究目的 油相依存のトレードオフを超え、水相にも高性能ブロードスペクトラムUV吸収剤を実装する新たな防御設計を提案することを目的とした。
手法 油溶性UV吸収剤BEMTをアクリレーツ/メタクリル酸アルキル(C12-22)コポリマーでカプセル化し水相に安定分散させた処方について、in vivo SPF、in vitro UVA-PF、耐水性、汚染粒子付着量、皮脂酸化を評価した。
主要成果 油相防御ベース(2%EHT・3%DHHB・5%EHS)に水相BEMTカプセル2%を追加した系はSPFが12から23、UVA-PFが5.1から11.2へ大幅に向上し、耐水性は56%から67%へ改善した。汚染粒子付着量は同等のUV防御性能下で約30%低減し、皮脂酸化モデルでもMDA生成量の低下が確認された。BEMTカプセルは単体では届かないブルーライト領域(400~500nm)にも効果が及んだ。

※ 閲覧にはCosmetic Scienceデジタル版の
会員登録が必要です