株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)は、世界の“一人ひとりのきれい”に寄り添うファンデーションの開発に向けて、物体で反射して実際に目に入る色のパターンである「分光反射率」に着目したグローバル肌色研究と嗜好性調査に基づいて、当社独自の40色のグローバルファンデーション色体系を確立しました(図1)。
研究の背景
当社は、世界中の多様なお客さまに今まで以上に寄り添うために、コーセー独自の8つの取り組みテーマからなる「Adaptability∞(アダプタビリティ エイト)※1」を掲げ、グローバルかつユニバーサルに通用するアダプタブルな製品やサービスの開発に取り組んでいます。現在、グローバルにおけるファンデーション市場では、一人ひとりの肌色に自然となじみ、素肌の美しさを引き立たせることができるような製品が求められています。このニーズに応えるためには、グローバルの多様な肌色を解析し、最適な色数・色配置となるよう分類する必要がありますが、これまでは見た目による分類が主流であり、その幅広い肌色の特性を正確に捉えることは困難でした。
そこで本研究では、ものを見たときに実際に目に入ってくる色のパターンを表す「分光反射率」に着目し、世界の肌色データを科学的に解析したグローバル肌色研究を行うとともに、色味などに関する嗜好性調査を行い、お客さまの「肌色」と「嗜好性」に基づいたファンデーション色体系の確立を行いました。
※1 2021年4月30日発行ニュースリリース
https://www.kose.co.jp/company/ja/content/uploads/2021/04/20210430_sustainability.pdf
グローバル700名の肌色データに基づく肌色研究
本研究で解析対象とした「分光反射率」は、物体に当たって反射した光がもつ色のパターンであり、赤みの強いパターンや黄みの強いパターンなど、一人ひとり異なる肌色特性を示します。そこで様々な肌色をもつグローバルの約700名の分光反射率から37項目の肌特性を表す要素を抽出し、各項目の類似点について統計解析を行った結果、グローバルの肌色は20グループに分けられることがわかりました(図1上)。これは、国籍や人種といった社会的な特性や見た目の肌色といった主観的な方法では捉えることができなかった肌特性に基づいたグルーピングであり、この客観的なデータを活用することで、お客さま一人ひとりの肌特性により寄り添ったファンデーションの色設計が可能となりました。
グローバル3,000名のファンデーション嗜好性調査
独自に構築した肌色グルーピング法に基づいてリクルートしたグローバル3,000名のファンデーションユーザーに対し、ファンデーションの色や仕上がり品質に関する嗜好性調査を行いました。このとき、前記の肌色研究を製品へと繋げるため、20グループの肌色分類に基づいて開発したファンデーションを実際に使用しながら直接インタビューを行い、嗜好性に合った色味や品質となっているか検証する調査も実施しました。これらの結果、今回設計したファンデーションの色体系はグローバルなニーズをカバーできており、質感やカバー力といった求められる品質についても重要な知見を得ることができました。この知見から、20グループの肌色分類にユーザーの嗜好性を加味して、当社独自の40色のグローバルファンデーション色体系を確立しました(図1)。
今後の展望
本研究により、世界中のお客さま一人ひとりの肌色特性に対応できる当社独自のグローバルファンデーション色体系を確立することができました。この成果は、2022年4月16日の日本先行発売を迎える「コスメデコルテ ゼンウェアフルイド」※2で活用し、今後、グローバルに対応したファンデーションの開発に応用していきます。引き続き、世界中のお客さまの“一人ひとりのきれい”に寄り添った製品開発に取り組んでいきます。
※2 2022年2月1日発行ニュースリリース
https://www.kose.co.jp/company/ja/content/uploads/2022/02/20220201.pdf
コーセー サステナビリティプラン Adaptability∞
創業以来大切にし、中長期ビジョン「VISION2026」でも掲げている“一人ひとりのきれい”を実現するために、性別、年齢、国籍、肌の色、価値観などのそれぞれの違いに適応する商品やサービスの方策を8つの項目に分類し、価値づくりの源泉にしていく取り組みです。
https://www.kose.co.jp/company/j
a/sustainability/adaptability.html